W杯が始まる前は日本には何の期待もしていなくて、他の強豪国の試合を楽しもうと思っていたのですが、いざ蓋を開けてみると日本が意外な躍進をしてしまい、途中から他の国のことなんかどうでも良くなってしまいました。
日本ははっきり言って3戦全敗する確率が高かった。それどころか、3つともみっともないボロ負けをする危険があって、それだけは勘弁してくれと思っていました。
まず、大会2か月前にハリルホジッチ監督が解任されました。これは仕方がないでしょう。予選を突破した功績があると人は言いますが、そもそもその予選すら敗退すれすれだったことは皆さん忘れたのかな?オーストラリア戦の快勝はとても印象的でしたが、そのオーストラリア戦で勝てずに引き分けだったら、予選敗退していた可能性が非常に高かったのです。これは監督だけの責任ではありませんが、あの人は毎回余裕で予選突破していた日本を敗退の危機に導いた、というのが正しい評価です。そして無理矢理敢行した世代交代が自分の首を絞めることになりました。世代交代の旗手になるはずだった井手口や浅野が失速し、一旦排除したベテランは呼び戻しづらくて袋小路に突き当たっていました。監督を交代してベテランを呼び戻したのは自然な流れでしょう。
そして技術委員長だった西野さんが監督になりました。これは明らかに敗戦処理人事だったと思う。もちろん勝負は何が起こるかわからないので、一縷の望みはあったでしょうが、チームが一丸となって日本らしいサッカーをしましたと言いたいだけの目的だったと思います。
とにかくこの時の日本には、点を取れるパターンがまるでなかった。だから西野さんもリアリストになって引いて守ってカウンターを狙うチームを作るだろうと思っていましたが、この人は無謀にもイノセントなパスサッカーを目指しました。初戦の相手はコロンビアです。コロンビアがきちんとコンディションを整えてきたら、日本のボロ負けは不可避だっただろうと今でも思います。
しかしいざ蓋を開けてみるとコロンビアは大したチームではなかった。ハメス・ロドリゲスは全然使い物にならず足を引っ張っていました。ファルカオもかつての輝きはなかった。そして守備の要であるはずのサパタは調子を崩してベンチでした。そして何より、中盤の要であるはずのカルロス・サンチェスがとんでもないことをしでかしてPKをプレゼントした挙句に開始3分でいなくなりました。ここまでやらかしてくれたら日本でも勝てます。そして勝ったことで日本は大化けしました。
2戦目のセネガルはフィジカルでゴリゴリ来る日本の苦手なタイプで、初戦で負けて自信喪失していたら絶対勝てない相手です。でも勝利という実績を得た日本は本当に良い戦いをしました。「こういうチームがW杯で勝ち上がるべきだ」と評した海外メディアがありました。とても誇らしかった。
3戦目はしょっぱい試合をした挙句、汚い手を使ってGL突破を得ました。海外からは猛批判されましたが気にすることはありません。奴らだって同じ状況なら同じことをやったに違いない。
そしてトーナメント1回戦、ベルギーと歴史的な名勝負を披露しました。ただし気をつけなくてはいけないのですが、名勝負できたのは相手がベルギーだったからです。例えば相手がイングランドだったら?彼らはベルギーよりも守備が堅いので日本は1点も取れなかったかもしれないし、セットプレーでは確実に失点していたでしょう。普通に完敗した可能性が高い。
世界3位のベルギーに勝てそうだったことで「日本にも世界トップクラスの実力がある」とか勘違いしている人がいますが、それは涙が出るほど笑える話です。逆に「10人の相手にしか勝てなかった」と貶める人がいますが、自虐もいい加減にしろと言いたい。セネガル戦、ベルギー戦は勝てた試合です。結果が出なかったからと言って無視していいわけがない。本当に素晴らしい試合でした。
実際のところ、日本の実力はどの程度か?冷静に見れば十数年来変わっていない。W杯には出られるが良くてGL突破のチームです。